この寓話について
「コスタリカの漁師とアメリカ人旅行者」という寓話をご存じでしょうか。
ある日、小さな漁村でのんびりと暮らす漁師に、アメリカ人の旅行者が話しかけます。
「もっと長く漁をしたら、もっと魚が獲れて、もっと稼げますよ。」
すると漁師は静かに答えます。
「家族が食べる分だけ獲れれば、十分なんです。」
旅行者は、経営学で学んだ知識をもとに熱心に提案を続けます。漁船を増やし、工場を作り、いずれは事業を上場させて巨額の富を得る――そんなビジョンを語ります。
ところが、漁師が問い返します。
「それで最後は、どうするのですか?」
旅行者は微笑みながら答えます。
「海辺の村で、のんびり釣りをしながら過ごします。」
その瞬間、漁師はにっこりと笑いながら言います。
「それなら、私はもう今そうしています。」
この寓話に、私は心を動かされました。
FIREとのつながり
私自身、FIREを目指して日々生活を見直しています。
だからこそ、この話には特別な意味を感じました。
旅行者の提案は、「資産を増やして、最終的に自由を得る」というFIREの考え方に似ています。
でも、漁師はもうすでに「自由な時間」と「満ち足りた生活」を手にしているんですよね。
項目 | FIREを目指す人 | 漁師 |
---|---|---|
目標 | 資産を増やし、早期リタイア | すでに満足した生活 |
手段 | 投資・事業拡大 | 必要な分だけ働く |
最終形 | のんびりした生活 | すでに達成済み |
私はこの表を作って、自分に問いかけてみました。
「いま幸せを感じているだろうか?」と。
家計管理の視点から
この寓話には、「足るを知る」という言葉がぴったりだと感じます。
収入を増やすことばかりを考えるのではなく、「本当に必要な分だけ稼ぐ」という視点も大切なのかもしれません。
項目 | 一般的な家計管理 | 漁師の考え方 |
---|---|---|
収入 | 増やすことを重視 | 必要な分だけ稼ぐ |
支出 | 生活水準を上げる | 必要なものだけ購入 |
貯蓄 | 将来のために貯める | 今の生活を楽しむ |
私は、支出を抑える工夫を少しずつ取り入れてきました。
その積み重ねが、心の余裕にもつながっている気がしています。
投資との関係は?
投資の世界では「長期的な成長」を狙うのが基本です。
旅行者の提案も、典型的なハイリスク・ハイリターン型の戦略でした。
一方で、漁師のように「今の暮らしを楽しむための投資」という考え方もあるのでは、と気づかされました。
項目 | 旅行者の考え方 | 漁師の考え方 |
---|---|---|
投資目的 | 資産を増やす | 生活を楽しむ |
リスク | 高リスク・高リターン | 低リスク・安定志向 |
期間 | 長期的な成長 | 今の満足を大切に |
もちろん、どちらが正しいということではなく
自分の価値観に合った投資スタイルを見つけることが大切なのだと思います。
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